WHITE

でつ

あー、幸せだな

わたしの嫌いな先輩が「したたかな女って大っ嫌い」と言っていた。この先輩とはとことん合わない。

語弊を生む覚悟で言うけど、わたしは強かな女が好きだ。軽やかにしなやかに強かに生きて何が悪い。女にしかできないことをさらっとやってのけるその度胸も好きだ。強くて優しくてあったかくて、そんな人が好きだ。

ご飯を食べて美味しいとか、お風呂に入って気持ちいいとか、そういう大切なことをずっと忘れていた気がする。生活をできていなかったのだと思う。生活は好きだし、自分の思う通りに事を運んでる感覚も好きだ。お気に入りの場所を見つけるのも好きだし、眠くなる空間も好き。そういう大好きなものを全部集めて、はいどうぞとあげられるような人が一生過ごしていく相手なのだと思う。

例えば、たくさん走った後に、シャワーを浴びてベットに横になった瞬間とか、プールの後の眠気とか、晴れた昼間の露天風呂とか。教えてあげたい感覚はたくさんある。相手にもきっと教えてあげたい人がいて、その人になれなかった自分をなんとかなだめて落ち着かせて、「好みは人それぞれだからね」なんて軽い言葉で済ませてしまう。

人を甘く見たような、そんな態度が鼻に付くときだってある。暴力を振るわれた後のような鈍痛だってある。甘ったれんな。ただ一言そう言いたい。

 

今、何しているのかな。本を読んでいるかな、ケータイを見ているかな、お風呂に入っているかな、もう寝ているかな。何でもいいから話してみなよ、かっこつけてもいいよ。かっこ悪くてもいいよ。嫌なことも楽しいことも嬉しいことも悲しいことも、何でも話してみなよ。相手のことなんて考えないでよ。大丈夫、まだまだこれからよ。

 

「わたしはあなたを喜ばせたいのよ。ただいまにはお帰りと返したいし、疲れたにはお疲れ様と返したいし、ありがとうにはありがとうと返したいのよ。よく頑張ったね、偉いね、素敵だね、そんな言葉で包んであげたいのよ。」

 

漫画みたいなセリフに溺れても泳いで戻ってこれるからね。あなたの力なら大丈夫。今日はゆっくりお風呂に入ったし、歯磨きもしたし、いい日だったね。

あ、そうそう、朝起きた時に、カーテンを開けて「あーよく寝たなあ」って口に出すだけでスッキリと目覚められるらしいし、「あー幸せだなあ」って声に出すだけで、幸せが舞い込んで来るらしいよ。意外と簡単なところに面白いことが転がっているよね。

あー、幸せだな。