WHITE

でつ

西日暮里

五月蝿いなあ。場違いにもほどがある。ワンチャン狙ってる男の子と話しかけられたい女の子。みんなギラギラしてて生気を吸い取られそうになる。

「今日は呑んで呑んで、忘れよう」なんてことを目の前で言われて、明日仕事なんだけどなあとか思いながら、「はい」と答えるわたしは冷たいのだろうか。「冷たいんだけど」と言われるまで気がつかなかった。冷たいのではなくて興味がないだけなのだけれど。我慢料かなと思ってひたすらうんうんと頷いてる。

「早くこないかな」と思える日があるというのはいいことなのだろうな。その日を糧にし過ぎて、その日が過ぎると何も手につかない。その日々が勿体無いと思うし、もっと大切にできるのではないかとも思う。でも、兎にも角にもわたしは何かを楽しみにしなきゃ生きられない。これがあるから頑張れるがないと多分本当にどう転ぶかわからない。どう転んでも誰かが救ってくれると思っている甘ちゃんだし、誰かに甘えて生きていければいいやなんてことも思っていたりする。実は。

「男になってやった夢とか見る?」なんて言われた。「それはないですけど、女として女の子とやった夢なら見ます」と答えたら「男ってこんなもんなんだなって思うよ。結局女の方が気持ちいいのよ」と言われた。だからなんだって話だけど、「そうなんですね」と適当に愛想笑いしといた。今日は悪い日だ。1日に対してあんまり悪い日だなんて思わないけど、多分悪い日だった。猫でも抱いて布団の中で眠りたい。

最寄駅に着いたらとりあえず唐揚げと焼き鳥を買おう。もうどうでもいいや。後悔することを後悔しない。どうとでもなると思って過ごしたい。明日の体が重かろうが、体重が1キロ増えていようがもうどうでもいい。自分のペースを崩されるのが嫌いだ。そして断れない自分が一番嫌いだ。(いや、10回くらいは断ったけど、押し切られた感じになった)。

どう考えても酔ってる若い二人組とか。どう考えてもこっちを見ている視線とか。どう考えても待ってる空気感とかとっても嫌いだ。

ああだめだ、今日は嫌いなものしか出てこない。あんまり嫌いなものは言いたくないのだけれど、今日くらいは許してほしい。

好きな人には好きになってほしい自分も、よく見られたい自分も、可愛いねって言われたい自分も、全部嫌い。

「それがいいんだよ、そこがいいんだよ」なんて言ってくれるだろうか。きっと望んだら言ってくれるけども、それは望んだ結果ではない。

明日も褒められたいし、甘やかされたいし、絶望を見たい。