WHITE

でつ

はにーびーと

「笑ってね」

ケータイのロック画面にそうメッセージがきていた。どんな会話の流れをしていてその言葉が送られてきたかは忘れた。でも、なんかすごく胸が締め付けられた。

わたしはしっかり笑えているだろうか。つまらないことで、悩んで間違えてつまずいて転んで落ち込んで。もっと背筋伸ばしていけよばか。

嫌なことは嫌と言える勇気と、好きなことは好きでい続ける気長さと、持ち合わせてさらっと自分のものにしたい。わたしはあなたのことが好きよと死ぬまで言い続けられるものを好きになりたい。

自分が行動するときにある程度の下心がある話をしたい。それはその、えっちな下心ではなくて例えば、喜んでもらいたいからショートケーキを作るとか、自分が褒められたいから相手を褒めるとか、付き合いたいから告白するとか、そういう“〜したいから”の部分の話ね。その下心ありきで相手が関わりを持ってきていることに気が付いた時に、みんなはどうするのか知りたい。わたしは、その下心に全力で応えようとする。美味しいとケーキを食べるし、褒められたら相手を褒め返すし、告白されたら付き合う。でもそれは自分の本当の気持ちでは無かったりする。生クリームのケーキは苦手だし、不本意に褒めている時は笑顔が歪むし、告白はここ数年断り続けている。自分の本当の気持ちと、こうしたいという気持ちがあまりにも合致しない時がある。みんなはその期待に応えようとするのだろうか。それとも、本意じゃなければそんなもの見て見ぬ振りをするのだろうか。全力で応えようとする、とか言いながら結果の行動は本当の気持ちのまま動いていたりする。

だから昔から敵が多いのか。わたしの周りは敵だらけだ、と思って生きていた時があった。トイレの個室に入れば、わたしの悪口が聞こえてくるし、部活のボール拾いの時には耳元で舌打ちされるし、もっと頑張れと言われ続けるし。本当に笑いたくなかったし、笑えなかった。うまく言えないけど、まんまで居過ぎたかなと。

だから、大人になってきた今、〜してあげたいという気持ちを優先して動いてみてもいいのではないかなと思っていたりする。喜んでショートケーキを食べたいし、心から相手を褒めたいし、告白されたら気持ちに応えたい。

例えば自分の今の気持ちに少し目を瞑らなければならなかったとしても、それも人間らしくていいかなって。

子どもだからと言うには歳をとりすぎているし、大人だからと言うには若すぎる。

子どもにも大人にもなりきれないわたしたちは、ただただ足掻いて進むのみ。