WHITE

でつ

甘党

友達が“逆設計”をしていたので、わたしもしてみたくなった。

 

60歳。孫とご飯に行けるくらい、健康な足と体力があること。贅沢はいらない。毎日朝ごはん、昼ごはん、夜ご飯を2人で食べて、「美味しいね」と笑いたい。たまには、旅行に行って、ゆっくり温泉に浸かりながらぼーっとしたい。できればお昼あがりには1杯のビールも飲んで。乾杯。

 

50歳。美しすぎず、老けすぎず。なんかいいよねなんて言われるおばさんに。仕事は無理せず、自分の時間の方を大切に。たまに家に帰ってくる、息子娘たちに「やっぱりお母さんのご飯が一番だね」なんて言われて、誇らしげにキッチンに立ちたい。犬の散歩と日記は毎日の日課にして、たまに夫が早く起きた朝なんかは、2人だけでお散歩もしたい。

 

40歳。「わたしらの時代は」「今の子は本当に」なんて言葉は言いたくない。今の時代に逆らわず流されず。いいところだけを吸収しつつ、昔のいいところも今の人たちに伝えていきたい。自分の意見は持って、押し付けがましくなく提示する。反対意見は素直に受け入れて、鵜呑みにせず、聞き流すところは聞き流す術を。

 

30歳。まだまだこれから、そろそろ頭角を表すころ。今まで我慢してきたこと、言えなかったこと、不満ながらも受け入れてきた意見、少しずつ指摘できるように。相手の悪いところ探しではなく、いいところを本人に言葉で伝える。褒める時は褒める、指摘する時は遠慮なく指摘を。それでもお茶目さは忘れず、愛される形で。

 

20歳。走り続ける。何をやっても、どう転んでも、どこに行っても大丈夫。今は思うがままに全力で。黄色は進め。点滅も進め。そこで倒れても若いからすぐ治る。大人の話の聞いているフリは上手にね。大人を不快にさせず、つけあがらせず。度胸と愛嬌は持って、誰よりも力を込めて。それでも気をぬく時間は誰よりも甘く、優しく、穏やかに。しつこいくらいには甘えていたい。

 

こう考えると、わたしの理想の人にはまだ出会えてないらしい。これからの人たちの理想になれるくらいには、成長していたい。女性ならば、背筋を伸ばしていた方が美しい。凛として、かつしなやかで、腹からしっかり声を出せる大人でありますように。

でもまだまだ、疲れることもあるし落ち込むこともある。その時は甘いチョコレートでも食べて、甘い人に会って、甘えて、甘い時間を過ごせたらいいなと思う。

くどいくらいの甘党だけど許してほしい。