WHITE

でつ

湿度

「ねえねえ先生。先生のこと好きじゃなーい!」と男の子に言われた。昨日との落差を感じながら「えー、でも、本当は?」と聞き返すと「好きじゃなーい」。「本当は?」「好きじゃなーい」「本当は?」「好きじゃなーい」「本当は?」「好き」。2人で、えへへってした。

毎日こんなに、ほんわか緩やかなわけではないけど、こういう時間、瞬間があるからやめられない。可愛い。

今日は朝からなんか、なんとなくその気になって走った。この公園に行こうと目的を決めて、走り出す。意外と時間が足りなくて、あと少しのところで引き返してきてしまったが、まあそれもいいかと自分に甘くしている。自分が自分に甘くなきゃ、誰も甘やかしてくれないものね。あ、わたしの周りで2人、糖分量多めで甘やかしてくれる人がいた。大切にしなければ。ひとりは甘えていいよが歩いてるような人。昨日はいちご狩りの写メくれたから、今度はいちご大福の写メもくれるはず。もうひとりは今日から冬休みで帰省するらしい。語尾には切なさとある程度の湿度を込めて「気をつけてね」と言った。相手がどこかへ行く時に「気をつけてね」と言うだけで、事故率がぐんと減るらしい。そんな嘘か本当か分からないことを信じて、大切な人が出かける時は絶対に気をつけてねと言っている。

そのあと10時から仕事のため出勤。9時55分に園長に「来年度のことを話したいんだけど時間あるかな」と引き止めれ、5分話した。

 

「来年度何歳児を持ちたいとか、ある?」

「0歳児をみたいなとは思ってますけど、どこでもいいです。どこでも頑張ります。」

「あと、言いにくいだろうけど、この先生とは組みたくないな、やりにくいなって人いる?」

「…〜先生と〜先生ですね」

「それはどうして?」

「休憩室での悪口が多いからです。保育中にそれを持ち込まれてもとっても困りますね。」

 

そこら辺で言ってしまった感はあったが、後戻りはできない。まあ、基本的にダサい人は嫌いだ。人の悪口陰口を言うなど言語道断。言いたいことがあるなら直接言ってほしい。言えないくらいの度胸しかないなら飲み込め。毎日そう思いながら「そうなんですね〜」なんて適当に相槌を打っていた。そんなこんなでちゃっかり組みたい先生まで念を押して、面談は終わった。わたしが2年目この仕事を続ける理由は“社宅が2年契約だったから”それのみ。あまりにもあっさり続けます、と言ったもんだから園長が心配して「本当に?本当に続ける?」と聞いてきたことがある。それにはしっかり、その理由を伝えた。そしたら「もっと他にあるでしょ〜…」なんて落ち込ませてしまった。でもそれ以上もそれ以下もない。

明日からまた同じようで、全く別の日が始まる。しっかり自分の足で歩きたい。