コンパス

なんでもわたしに持ってるか聞く先輩がいる。今日は「コンパス持ってる？」と聞かれた。大人になってコンパスを持ち歩いている人はどのくらいいるだろうか。ちなみにわたしはドラえもんではない。その先輩はわたしに文房具系をよく借りる。大抵あるから貸すんだけど、さすがにコンパスまでは持ってなかった。すまない。

朝電車に乗ってる10分くらいで占いを見たりするんだけど、「え？私できるよ。命がけになればなんでもできるじゃん。本気出していこうぜ」と、勝負や機会を楽しむって書いてあって、なにそれ果てしなくかっこいいなと思った。今ちょうど山場で今までにない緊張感と不安感に襲われているんだけど、そんな感じでさらっと乗り越えられたらかっこいいよな。

他人から見た印象ってわたしに正確に伝わることは一生ないと思ってる。わたしはわたしであって他人じゃないし。それを考慮した上で“第一印象が大切”なんて言葉が出回っているのだろうか。わたしは第一印象がぼろぼろで万歳と思っている。まず、第一印象くらいで自分をぼろぼろにする相手と生涯関わらなくて済むでしょう？そして、自分を見た目や言葉遣いで評価する人たちが居なくなるでしょう？てことは、本当にこの子ってどんな子だろうと期待をしてくれてる人だけ残るってことでしょう？理想論かも知れないけど、割と本気でそう思ってる。中身や影を知ろうとしないで、相手を評価するなと毎回思う。だからわたしは人を評価しない。中身まで見るほど興味がない。というか、まず、その人に良い悪いをつけられるほど、できた人間でもない。そこを踏まえて評価する立場の人間は責任を持って評価してほしい。そしてどうか、第一印象が8割なんて戯言を言う大人ではありませんように。大丈夫。自分を見てくれる人はたくさんいるし、自分が思うほど人は自分を見ていない。大丈夫。

わたしをドラえもんだと思ってる先輩だって、「お前心ねえな」って言ってきたあの人だって、「その性格直せ」と言ってきたあいつだって、みんなどうせその時のことなんか一ミリたりとも覚えてない。大丈夫、余裕。何かあったら、眉尻を下げ、落ち込んだ子犬のように「すみませんでした…」と言っておけば大丈夫。

ちなみにこの世の中ダサい大人が多い。人の陰口噂話を平気で口にする。小さな不平等を許せない。言葉の暴力は当たり前。ダサい。

ダサい大人にだけはなりたくない。

いつまでもどこまでも、凛として背筋を伸ばし、笑顔でかっこよくいたい。そしておばあちゃんになった時に「殺しても死ななそうね」なんて言われて笑われたい。